景気は増税の影響伴いつつ緩やかな回復

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日銀の黒田総裁は4月の金融政策決定会合で、景気の基調判断を「消費税率の引き上げの影響による振れを伴いつつ緩やかな回復を続けている」と表現しました。

円安効果が弱まっている現在、民間の調査機関ではインフレターゲット2%の達成を危ぶむ声が聞かれますが、それとは真逆の声明を発表するカタチになり、量的・質的金融緩和の継続も決定しました。

一方で有効求人倍率は1・07倍(全国3月)と需給は均衡していますが、一部の業界で人手不足が深刻になっています。とくに顕著なのが飲食業と建設業です。

建設業は震災復興で雇用が東北に集中しているという一時的なものですが、飲食業の場合は店舗閉鎖を余儀なくされたり、営業時間を短縮せざるをえないといったところが続出しています。

これは労働条件の悪さに耐えてきた人たちが少しでも条件のよいところに「流出」し始めた結果と言えそうです。

長い間、デフレの影響による価格競争で、人件費を抑制してきたツケがこのような結果を招いたのでしょう。

いま起こっている一部の産業での人手不足は、求人側と求職側のミスマッチによるものと言われています。

正社員は余り気味なのにパート人員は不足しているといった現象が続いています。

雇用側が中長期の視点に立った人員の採用と教育、配置、そしてワーク・ライフ・バランスを重視した計画を立てて実行していかなければ、少子化に歯止めがきかないこれからの企業間競争では生き残りが困難になるでしょう。

健全な人員計画と設備投資がなされないと景気の好循環は起こりません。

第2四半期から下半期へかけてのいっそうの景気浮揚策を望むところです。

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オフィスレイアウトの移り変わり

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オフィスマネジメントでも頭を悩ませるのが、オフィスレイアウトでしょう。

社員間のコミュニケーションを促したり、作業に集中させたりできるオフィスにするためにはどうすれば良いのでしょうか。

それにはまずオフィスレイアウトの歴史を知っておくと、答えを紐解く鍵が見つかるかもしれません。

 

1、オフィスレイアウトの二つの潮流

オフィスレイアウトの歴史を眺めていると、対立する2つの概念、「プライバシー」と「コミュニケーション」をうまく調和させるようにオフィス設計がなされてきたという歴史が見えてきます。

 

オフィスで働いているときのことを思い出してみてください。

仕切りがないオフィスだと、社員同士の話し声が気になったり、目線が気になったりして、うまく業務に集中できないことがありますよね。

逆に個室が与えられているオフィスだと、ちょっとした質問をしたいときに相手のオフィスまで出向かなくてはならず、コミュニケーションは取りづらいです。

 

気軽にコミュニケーションしたいけどもプライバシーも尊重してほしい、この一見矛盾するようなビジネスパーソンのニーズは、オフィスレイアウトの試行錯誤の歴史でもあります。

 

2、オフィスの原型は学校の教室

今のようなオフィスの原型が作られたのは20世紀の初め頃だと言われています。

これは工場で採用されて学校の教室のようなオフィスレイアウトになっていたといいます。

机を横一列に数列並べて、そこで作業をしていたようです。

教室型にしたことのメリットとして、先生が生徒の様子をひと目で把握することができるように、管理者が作業員を管理しやすいことにありました。

ただし、ここからコミュニケーションとプライバシーの問題は始まっていました。

 

教室型にすると大部屋になり、もちろん仕切りもないのでプライバシーは尊重されません。

また、作業員全員が同じ方向を向いているようなレイアウトは、後ろの席の人とコミュニケーションを取るのにわざわざ振り向かなければなりません。

コミュニケーションとプライバシーの両方が尊重されない結果となったのです。

 

3、コミュニケーションを重視したレイアウト

この問題に対して、初めに、コミュニケーションをより重視していこうという動きがオフィスレイアウトで起こりました。

1960年代に、ヨーロッパで取り入れられたのは、オフィスのスペースを壁で区画しない大部屋スタイルです。

 

お互いの顔が見えるように机を円形に並べたデザインや、横一列にするのではなく斜めに机をずらすなど、機能性やコミュニケーションを促すため工夫が行われています。

 

4、プライバシーを重視したレイアウト

60年代後半には、プライバシーも重視されるようになってきました。

この頃は、既に工場でみんなが一律の作業を行うのではなく、部署や職種などがそれぞれに割り当てられるようになってきていたという変化がありました。

部署ごとや役所ごとに仕切りを付けることも必要とされ始めた時期です。

オフィスを壁で区切ってしまうと、事業の拡大や縮小などに伴うオフィスの変化のときに、柔軟性が悪くコスト的にも厳しくなってしまいます。

パーティションは簡単に区切りすることができるので導入されました。

 

パーティションはパネルのことで、大部屋を柔軟に区切りことができ、プライバシーの尊重はもちろんのこと、ドアや壁できっちり仕切られた個室よりもコミュニケーションが取りやすいところにメリットがあります。

1980年代には、パーティションを導入したオフィスが一般的になり、その流れは現在も続いています。

 

5、現代のオフィスレイアウト

現在は、インターネットや無線LANの導入によって、社内での交流の仕方が変わってきています。

直接会って話すことよりも、社内メールやチャットなどで意見を交換しあっています。

そのため、現在のオフィス設計は、ネットワークにまで発展してきました。

 

このため、対面型のような机の配置ではなくお互いが背を向けた個室スタイルのものでも良くなってきました。

ただ、チームで仕事をする場合は直接会って話すことも重要なので、プライバシーを重視しながらも社交性を重視したオフィスレイアウトは、現代も必要とされています。

 

オフィスレイアウトの歴史を紐解くと、コミュニケーションとプライバシーの調和が模索され新しい技術や考え方がオフィスの変化に寄与したことがわかります。

ノマドワークやSNS、エコへの配慮など新しい働き方が模索されている現代、レイアウトの試行錯誤は今後も続いていくことでしょう。

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円高は、大阪の賃貸オフィスをどう変えていくのか

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民主党の解散以降、円安が続いています。

安倍政権になってからは、インフレ・ターゲットの宣言やアメリカの財政の崖などによる要因によって円安がさらに加速して、2013年2月8日現在、92円となっています。

輸出をメインとしている企業では、自動車メーカーのトヨタを例にすると、1ドル当たり1円の円安で年間300億円の為替差益が生じると言われており、円安は輸出産業に大きな利益をもたらします。

さて、円安が不動産にもたらす大阪への影響はどんなものがあるのでしょうか。

円高と円安では、不動産業界にとってはどちらが喜ばれるものなのでしょうか。

通常の円高は、円が買われることであり、国力が強まっていることや、円の信頼性が高まっていることの証で、金や不動産の実物資産の価格は上がり金利も高くなると考えられます。

しかし、解散以前の日本の円高は不動産価格を上げるどころか、底値近くまで下落させるという奇妙な事態になっていました。

金利もご存知のように、日本は低金利です。どうして通常と反するようなことが起こっているのでしょうか。

それには、円が諸外国から買われる理由を考えないといけません。

先ほど、円が買われる理由に、円の信頼性や国力の高まりが評価されるからと書きましたが、別の理由でも円は買われます。

それは、通貨の買い材料がどこにもなかったときです。

日本が円高になったのは、ギリシャ危機やリーマンショックによって景気が低迷したことによって、欧米の通貨が軒並み駄目になってしまい、通貨が一気に日本へ集中したことが原因です。

それは、日本の経済が評価されたわけではなく、消極的な理由によって買われたことを意味します。

この間、日本も不景気でしたので、不動産価格は上がらず、金利も上がることはありませんでした。

つまり、不動産価格は通貨の影響をあまり高く見積もってはいけないことになります。

今は円安ですが、自民党は10年間で200兆円を支出する「国土強靭化計画」を進めるなど、円安であっても不動産価格は今後上がることも予想されています。

大阪市の主要オフィスエリアにおける2012年度第4四半期の賃貸オフィスの平均空室率は、前期比1.66ポイント増加の11.36%となっています。

2011年12月にいったん9%台に改善したものの大型案件の竣工にともない一時的に11%台になりました。

その後は2013年7月に10.40%まで改善しています。

企業の移転マインドも高まっており、高グレードのビルの需要が高まっています。

しかし、今続いている円安も実体経済がついてこないとただのバブルで終わってしまう可能性があります。

不動産の購入や移転の際には、通貨市場だけでなく色々な動きに目を配らせておかなければなりません。

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東京の賃貸オフィスの生き残り戦略

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日本の経済環境は、現在6重苦と言われています。

それが、東京の賃貸オフィス市場に影響を及ぼしています。

6重苦とは、(1)円高(2)高い法人税率(3)自由貿易協定への対応の遅れ(4)製造業の派遣禁止などの労働規制(5)環境規制の強化(6)電力不足の6つになります。

一見、賃貸オフィスとは関係無さそうに見えるこれらの問題が、なぜオフィス市場に影響を及ぼしているのでしょうか。

国内企業はグローバルな競争にさらされています。

6重苦と言われる経済的課題は、企業の重荷になっており、本社オフィスの立地戦略が課題となってきました。

さらに、今までは有力企業の誘致を国内のオフィス事業者間で競争が行われてきたのが、安価なアジアとの競争になることも想定されています。

そのため、国内企業にとって、本社オフィス移転や立地に要求する水準はより高くなり、ビルを保有するオーナーにとっても、管理には高い専門性が求められるようになってきました。

BCP(事業継続計画)の観点から、指揮系統の維持や情報の発信・共有、災害時の経営判断の重要性を問う企業が多くなってきています。

また、2011年3月11日の震災は、本社機能を都市圏から移転させるまでのインパクトは持たなかったものの、省エネや非常用電源などをビルに求める動きが広がりました。

そうした中で、東京のオフィスの空室率は8%という高い水準になっており、これの一つの要因として、企業のニーズに答えることができていないオフィスが企業から見放されはじめていることが考えられるでしょう。

これからのオフィスは、顧客の新しいニーズを読み解いて提案するような動きが求められます。

その問題の一つの解法として提案されているのが、オペレーショナル・アセットです。

オペレーショナル・アセットとは賃料収益ではなく、ホテルや物販などの業態を運営して、事業用不動産として収益を確保していく資産のことです。

これらは通常のオフィスと比べた際に、より特殊性や専門性が高く、用途に精通した管理運営を必要とします。

ただし、オペレーショナル・アセットはキャッシュ・フローの変動が発生する可能性があり、これまでのオフィスの稼働率や賃料に比べると、見積もりが難しいという欠点を抱えています。

しかし、都市圏では大型のオフィスビルの建設はこれからも供給され、競争が激しくなることが予想されていく現在、これからのオフィスには高い専門性が求められるようになっていくのは避けられないことでしょう。

ビルのオーナーたちは、あらゆるビジネスユーザーたちのオフィスニーズに対応すべく、オフィスをオペレーショナル・アセット化することが求められています。

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東京でのノマドオフィスと賃貸事務所を使い分ける

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ノマドワーキングとかノマドワーカーという言葉が新しい流行語のようになっています。

ノマドとは遊牧民という意味で、固定のオフィスをもたずにパソコンやタブレットがネット接続できる様々な場所で仕事をすることを、ノマドワーキング、そのような働き方をする人をノマドワーカーと呼んでいます。

クラウドコンピューティングやWi-Fiでのネット接続が安く便利になってきたことから、環境が整っていればオフィス以外の場所で仕事ができるようになってきました。

その結果、自営業を中心に、東京では接続環境と打ち合わせもできるカフェスペースを揃えたレンタルオフィスの新形態である、ノマドカフェやノマドオフィスというものも登場しております。
このノマドオフィス、自営業の方にとってだけでなく、外回りの多い営業職にとっても使える場所になっています。

営業職にとって、わざわざ会社に戻って書類作成しなくても、会社から貸与されたパソコンやタブレット端末を使って、出先から日々の報告やプレゼン書類などの資料作成ができるのならば、移動時間が節約できて便利です。

これまでは不特定多数の人が出入りするカフェやファーストフード店でそのような書類仕事をしていた営業マンにとって、このノマドオフィスは落ち着いて作業できる新たなスペース、新しいモバイルオフィスとなりつつあります。

しかし便利だからと言って、オフィスに戻らない直行直帰ばかりの営業をしていると、トラブルが発生するということもあります。

会社に属している営業だという意識を忘れ、外回りばかりの営業活動をして、社内の会議には出てこない、リアルな雰囲気や情報から遅れがちになるということ、また顧客の緊急事態やトラブルの対応は本社で行うことになるので、会社に戻ってこない営業は社内コミュニケーションのトラブルメーカーになってしまい、本当の遊牧民になりかねません。
自営業でノマドワーキングは便利という人も、信用の面においてはきちんとした固有の住所が必要になる場合があります。

また、事業を始めたばかりの時は、賃貸事務所の賃料が高い東京では、ノマドオフィスは賃貸よりは経費がかからないので起業したての頃には、格安で便利な場所にあるありがたい存在です。

しかし事業が順調に大きくなり、オフィスを広げる必要にかられた時や、新規取引先にとっては、賃貸事務所のあるほうが信用があるといえます。

そのような意味では、東京ではノマドオフィスは外回りの営業のモバイルオフィスとして使えたり、起業したばかりの人が落ち着くまでのオフィスとして使える一面もありますが、営業が本拠地である会社に戻って報告や社内情報収集をする必要があるように、独立起業してある程度大きくなった会社は、拠点として賃貸事務所を構える段階にくるのではないのでしょうか。

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